赤羽根医院

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赤羽根医院ブログ

切らずに治す痔の治療? いぼ痔に手術は必要なの?

2020.01.23

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今回はお尻の病気についてです。
当院では2020年5月より痔疾患(いぼ痔、切れ痔、痔瘻など)の日帰り手術を新たに開始します。
なかでも肛門の病気といえばまず思いつくのがいぼ痔(痔核)です。最近では手術しなくてよいという治療をうたうクリニックなどもありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
ここではいぼ痔とは何なのかという話から始めていきます。

  • いぼ痔とは何なのか?


  • 痔核はもともとどの人にもあるものです。痔核は肛門の筋肉と協力して肛門から便やガスが漏れ出るのを防ぐパッキンのような役目を果たしています。痔核があること自体は治療の必要はありませんが、長時間いきんだり、腹圧のかかる状態が続いたりすると、痔核がゆるんだり、うっ血したりして大きくなったり腫れるなどして、症状が出てきます。
    人間は二足歩行をしている(肛門より上に臓器や頭がある)ので腹圧がかかりやすくいぼ痔になりやすいようです。逆に4足歩行の動物にはあまり見られない病気のようです。
    痔核には内痔核と外痔核があります。


   いぼ痔には内痔核と外痔核がある

  1. 内痔核


  2. 肛門の内側の痔核です。通常、痛みはありませんが、大きくなってくると出血したり、肛門から脱出(脱肛)したりします。肛門からの出血は内痔核によるものが多いですが、大腸癌が隠れていたりすることもあり、注意が必要です。また、脱出して指で戻すような大きな内痔核は薬では治らないので何らかの治療が必要です。
     

    • 内痔核の重症度

    • 1度

      痔核の組織がふくらんで、痔核ができます。
      排便時のいきみによって負担がかかり、出血するようになります。

      2度

      痔核を支える組織が弱くなり支え切れなくなって、排便したときに、痔核が肛門から飛び出します。
      痛みはありませんが、排便時に出血することもあります。飛び出た痔核は自然にもとに戻ります。

      3度

      排便時に痔核が肛門から飛びだして、指で押し込まないと肛門内に戻らなくなります。運動をしたり、重いものを持ったり、おなかに力を入れたはずみで、痔核が外に飛びだすようになります。この大きさになると手術をお勧めすることが多いです。

      4度

      痔核を指で押し込んでも戻らず、いつも外に出たままになります。刺激で粘膜の分泌液が増えて下着が汚れたり、肛門のまわりがかぶれてかゆみを起こしたりします。
       

  3. 外痔核


  4. 肛門の外側の痔核です。長時間いきんだり、重いものを持ったりした際に、突然 血の塊ができて、周囲が腫れてしまい、痛みや違和感の原因になる場合があります。(血栓性外痔核)外用療法などで改善する場合も多いですが痛みが強い場合や大きい場合には処置が必要となることもあります。

  5. いぼ痔を治療する

  6.  
    いぼ痔で来院された方は多くの場合、生活指導や薬剤治療から治療を始めます。ほとんどの場合は手術は必要ありませんし、最近では手術以外の治療もいくつか出てきています。
    ただし、絶対に手術をしなくて良い…とまでは行かないようです。

     

    • 血栓性外痔核は切らずとも(時間をかければ)治る


    • このうち血栓性外痔核については手術をしなくとも治る場合が多いです。血豆になって周囲が腫れてしまっている状況ですので腫れが引いて血の塊が吸収されていけば治ります。当院では内服薬や外用薬で治癒を助け、生活指導をおこなっています。ただし、血豆が大きいと当然吸収されるには時間がかかります。痛みが強い場合や大きい場合には処置をした方が良いと場合もあります。

    • 内痔核は手術しなくても治る?


    • 一方で内痔核は大きくなったり、ゆるんでしまった痔核組織(静脈瘤)そのものなので薬を使ってもなくなることはありません。(むくんで大きくなっているものについては薬である程度改善します)多少の内痔核は誰でもあるものではあるので気にする必要はありませんが、出血が多い場合や脱出が気になる場合は何らかの処置や手術が必要になります。
      最終的に手術などの治療が必要になる方は割合としてはさほど多くありませんが、一つの目安として、排便時にいぼ痔が出てきて手で戻さないと戻らない場合や出血が多い場合などは処置をお勧めします。
      日本で主に行われている内痔核の治療法は 保存的治療(薬での治療)、注射による治療、 ゴム輪結紮、 手術による治療などがあります。

    • 薬での治療は限界もある


    • 言うまでもなくもっとも簡便なのは薬による治療です。炎症やむくみ、痛みを改善する軟膏や肛門の血流を良くする飲み薬をつかって治療を行います。当然ながら治療による痛みなどはありませんが、排便後にいぼ痔が脱出して指で押し戻さないといけないような状態の場合や出血がひどい場合にはあまり効果がありません。

    • 注射治療は簡便さが魅力だが、対象にならない場合や再発する場合も


    • 注射治療はALTA(硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸)という薬剤をいぼ痔に注射し、いぼ痔を固めてしまう治療です。固めてしまうことによって出血や脱出が改善します。また、いぼ痔を固めることにより、血流が低下して少し小さくなる効果もあるとされています。(ほかにパオスクレーという注射もあり、主に出血などに使っています)
      講習会に行けば使用できるため、最近は肛門の診療の経験の少ないクリニックなどでも行なっているところがあります。
      長所は何と言っても簡便で合併症が少ないことですが、十分な経験をもとに症例を選ばないとその長所を生かすことができません。
      難点はいぼ痔の状態によって使用できない(合併症を起こしたりする)ことと、数年で再発してくる場合があることです。
      このため、注射治療であっても十分な肛門手術や注射治療の経験を持った医師が行う必要があります。また、当院ではこれらの欠点を減らすため、手術と組み合わせた治療なども行なっています。

    • ゴム輪結紮は痛くない。不適切な施術や出血にはご注意を。


    • いぼ痔をゴムの輪で「しばる」治療になります。内痔核の部分は痛覚がありませんので縛っても特に痛みはありません。縛った部分のいぼ痔は血流がなくなって脱落し、いぼ痔が小さくなります。時間もかからず、痛みもない処置ですが、まれに出血したりすることがあります。

    • 治療の最終手段は手術。どんないぼ痔でも対応できるけれど、合併症には注意が必要。


    • 手術はいぼ痔を「切り取って」しまう治療です。いぼ痔の手術にはいくつか方法がありますが、過去に行われていたホワイトヘッド手術や現在広く行われている結紮切除術、比較的新しい方法であるPPH法、自費で行われることがあるレーザー手術などをご説明します。
      レーザー治療はいぼ痔にレーザーをあてて「焼いて」しまう治療です。(もしくは通常の手術をレーザーメスで行う場合もあります)痛みが少ないとして行なっている施設もありますが、実際には再発率や治療可能な病変の範囲や再発率では手術治療に劣り、同等の治療と考えられる注射治療に比べて侵襲が大きいため、メリットがあまりありません。またこのため、保険適応とはなっておりませんし、当院では行っておりません。自費の治療と言うと、なんだか高級で最新の良い治療のように思われる方がいますが、実際には標準治療こそが最善の治療である場合が多く、自費治療は最新の治療ではあっても十分な治療成績が出ていない場合が多いのでご注意下さい。また治療費は自費ですので当然ながら高価になります。

      PPH法は自動吻合器(腸を切ると同時にたくさんのホチキスで腸を縫う機械)に痔核やゆるんだ直腸の粘膜を引き込んで切離・吻合を行い、いぼ痔を上に吊り上げると同時に、いぼ痔に流れ込む血管を切ることによって痔核の脱出を治す方法です。2005年11月に厚生労働省により「先進医療」として承認された比較的新しい方法で、現在は保険適応となっています。痛覚のない場所を手術するため、痛みが少ない手術として紹介されることがありますが、外痔核が大きい場合や、いぼ痔が大きすぎる場合は行うことができず、再発率や術後出血率が結紮切除法よりも高いというデメリットがあります。また、強い疼痛や便意切迫が長く続く、術後に骨盤内膿瘍から敗血症を併発した、などの合併症も報告されています。原因は切除時に腸の筋層を引き込んでしまうことのようですが、症例数の多い施設などでも発生しているようです。また、自動吻合器がそれなりの価格がしますので治療費も通常の手術よりやや高くなっています。

      これに対して結紮切除術は、いぼ痔をメスやハサミで外側から剝離していき、切り取るというものです。PPH法よりも前から行われている方法ですが、PPH法では手術ができないような、外痔核が大きい方や非常に大きないぼ痔がある方などにも行うことができ、再発率は最も低いとされています。また、腸を切ったりはしないので習熟した術者が行う場合は重大な合併症は通常起こりませんし、合併症に対する対処や長期成績なども確立しています。ただし、術後の痛みはありますし、いくつかの合併症はありますので熟練した術者が行うことが重要です。最近では先述した注射治療(ALTA療法)と組み合わせた新しい術式も開発されており、当院でも行っております。当院では入院設備がないため、早期に社会復帰できるように工夫をして手術を行っています。

    • 気になる方はご相談を


    • このように、いぼ痔については手術以外にも色々な治療手段があります。肛門科に来るとすぐ手術されてしまうのではないかと不安に思われる方も多いと思いますが、実際には手術になる方はごく一部ですし、個々の患者さんの状況に合わせて治療をご相談しています。ただし、手術が必要ないぼ痔というのは現在もまだ存在していますし、手術以外の治療を行う場合でも十分な経験のある医師が行うことが重要です。また、いぼ痔と思い込んでいても他の病気が隠れている場合もあります。当院では肛門科専門医が常勤しておりますので、肛門から何か出て来る、肛門から出血するなどの症状が気になっている方はお気軽にご相談ください。

     

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