赤羽根医院

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赤羽根医院ブログ

便秘にご注意

2020.01.08

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便秘は、排泄回数が少なく(3日以上排便がないなど)、お腹の不快感が続く状態です。毎日排便があっても一回量が少なく、残便感がありお腹が張るような場合も便秘と言えます。また、長時間息まないと便が出ない、下剤や浣腸を使わないとスムーズに排便できないなども便秘に含まれます。
便秘は非常に「ありふれた」病気であり、当院でも便秘に悩む方は多く来院されます。ただ、便秘については大腸がんなどをはじめとする重大な病気が隠れていることもあり、注意が必要です。
また、便秘は様々な病気の原因となることもあります。硬い便や長時間いきむ事は痔疾患(いぼ痔、切れ痔など)の原因となることは以前より知られていますが、最近では便が出なくて長時間いきむ事によって心臓に負担がかかり、高血圧や心疾患が増加することも分かってきています。また、近年では様々な便秘の治療薬が開発されており、治療が非常に多様化しています。
今回はそんな便秘についてお話しをします。

  • どれぐらいが便秘なの?

  • 便秘も程度があり、自分がどんな状態なのか知っておくと医療機関を受診する時にも役立ちます。次の表は便の硬さや形を数字で表した表で、ブリストルの便形状スケールと呼ばれているものでです。この表で言うと4が理想的な状態で、便秘を訴えて来院される方は、通常は1や2の便の方が多いです。

    しかし、中には便は特に固くないのに便秘を訴える方がいます。これらの方の中には大腸がんや潰瘍性大腸炎などの治療が必要な病気があったり、腸よりも肛門の機能に問題があったりする方も少なくありません。恥ずかしがらずにご相談ください。

  • 便秘の原因は?

便秘でまず注意しなければならないのは何か腸に病気があって便秘になっていないか(器質的便秘と言います)を確認することです。(病気は腸の癒着や腫瘍などが代表的です)この便秘は緊急手術をしなければならない場合もありますので便秘といっても侮らずに医療機関にご相談ください。また、全身性の病気の結果として便秘が起こっている場合もあり、注意が必要です。
特に普段は便秘がないのに最近突然に便秘になってしまった方です。逆に普段から便秘だという方はさほど心配はありませんが気づかないうちに病気が進んでしまっている場合もありますから、定期的に医療機関を受診していない方は一度は受診をお勧めします。

  1. 器質性便秘

  2. 器質性便秘は腸に病気があって狭いところができて便秘になる状態です。腸に癒着(手術などの影響により腸がくっついて狭いところができる状態です)があって便秘となる場合や、腸がねじれて狭いところができる場合(この場合は多くの場合緊急手術になります)、腸にできもの(がんなどです)ができて狭い場所ができる場合などがあります。これらは原因となる病気を取り除くことが必要で、なおかつ緊急を要する場合が多いです。

  3. 症候性便秘

  4. また、全身の病気の結果として便秘となる場合があり、これを症候性便秘といいます。甲状腺機能低下症や副甲状腺機能亢進症では腸の動きが弱くなり、便秘がちになります。女性の場合、病気とは別ですが、生理や妊娠中にホルモンの影響で便秘になりやすくなります。このほか、神経損傷や糖尿病の合併症などで、神経の働きが不調になった場合も、このタイプの便秘が起こります。病気に対する治療が第一ですが、便秘が十分に改善しない場合は便秘薬を使います。

  5. 機能性便秘

  6. 機能性便秘とは腸に何か病気があるわけではないのに便秘となってしまうものです。大多数の方はこれに当てはまります。機能性便秘は以下のものに分類されます。

    • 弛緩性便秘

    • 人間の腸は徐々に食べ物を口から肛門に向かって運びながら、栄養や水分を吸収していきます(ぜん動運動といいます)。腸の筋肉がゆるんで動きが低下すると食べ物が肛門まで送られるのに時間がかかるようになります。加齢や運動不足、不規則な生活習慣によって起きるとされ、高齢者の便秘の多くはこれが関連しているといわれています。また、高齢者の場合は腸の長さ自体が長くなっている場合もあります。

    • 痙攣性便秘

    • 大腸のぜん動運動はあるのですが、適切な運動とならずに、うまく便を口から肛門へと運ぶことができず便が出るのに時間がかかってしまいます。ストレスの影響などもあると考えられています。不適切な下剤の使用により悪化してしまう事もあり、注意が必要です。

    • 直腸性便秘

    • 運ばれてきた便が大腸から直腸に入ると、通常は直腸のセンサーが働き便意を催します。そこでトイレに行くと、ふだんは 肛門を閉めている肛門括かつやく約筋が 緩み、排便に至ります。ところが 、便意を習慣的にがまんしたり、肛門の筋肉が衰えてくると、直腸に便が入っても便意を催さなくなったり、うまく排便できなくなったりします。女性や高齢者が便秘しがちな理由の一つです。また最近では、排便するために温水洗浄便座の水を肛門の奥まで入れるために神経の感度が鈍り、便秘になる人が増えています。

  7. 便秘で困った時には

  8. 当院では診察、検査を行い、原因疾患などがないか確認します。原因疾患がある場合にはその治療を行い、病変がない機能性疾患ではどのタイプの便秘かを見極め、それに合わせた治療を行っていきます。生活習慣の改善を中心に、腸が正常な働きを取り戻すまで症状に合わせた薬物療法でサポートしていきます。食事療法と運動療法を含む生活習慣の改善は症状解消だけでなく、再発防止にも有効ですので、無理なく行えるよう具体的にご指導します。

    • 食事療法、運動療法

    • 水分と繊維質の多い野菜やくだものをしっかりと摂りましょう。バランスがとれた食事を心がけ、食べ過ぎないようにします。腸を刺激するために適切な脂質の摂取も重要です。
      また、習慣的に軽い運動を行うことで、血行を促進して胃腸の働きを活発にし、腸蠕動も正常に整っていきます。激しい運動は必要なく、ウォーキング程度の運動を継続することが重要です。

    • 生活習慣改善

    • 就寝や起床、三度の食事を毎日、同じような時間に行うようにします。特に朝食は必ずとり、便意を感じたらすぐにトイレへ行くことで正常な排便習慣をとり戻すようにしましょう。しっかり睡眠時間をとって、上手なストレス解消法をみつけてください。バスタブに浸かる入浴や腹部のマッサージもおすすめできます。

    • 薬物療法

    • 生活習慣の改善では十分な効果が見込めない場合、薬物療法で腸の働きを正常化に導きます。腸の機能を整えるもの、便の水分量を整えるもの、腹痛を緩和させるものなど、症状や状態に合わせた薬剤を用います。必要に応じて漢方薬を使用することもあります。効果の出方には個人差がありますので、種類や量を慎重に微調整しながら最適な処方をみつけていきます。自己判断で下剤や浣腸を多用すると逆に便秘となる場合があります。自己判断せず、医師の指示に従って治療を続けていきましょう。

    • 便秘の薬物療法

    • 当院ではこれらの薬の中から患者さん毎に適切な薬を選んで使用しています。

      • 昔ながらの治療 センナ、漢方薬、酸化マグネシウム
      • 便秘に対して昔から使われているのがセンナやダイオウなどの植物からとった成分です。腸の動きを刺激する作用があり、広く使われています。プルゼニド、センノシド、ヨーデルなどの西洋薬や麻子仁丸、潤腸湯、大黄甘草湯などの漢方薬に含まれています。また、市販の下剤や健康食品などにもよく使用されています。これらの薬はアントラキノン系と呼ばれ、下剤として頻用されてきました。腸を動かしてくれるので効果は確かですが、人によっては腸の蠕動により腹痛を起こすことがあるのと、長期に使っていると逆に腸の筋肉を弛緩させ、便秘の原因になってしまう問題があります。下剤の連用により腸は動きが低下するとともに色素が低下し、黒くなってきます。腸の動きを内視鏡で見ることはできませんが、黒くなった腸は内視鏡で観察でき、メラノーシスなどと呼ばれています。
        一方で酸化マグネシウムは腸管の中に水を引き込み、便を柔らかくする作用がある下剤でこちらも昔から使われています。連用によって効果が落ちることもなく、がんなどで腸が狭くなりつつある方にも使える安全な下剤ですが、即効性はあまりないため、便秘になってから飲んでもなかなか効果が出ない場合があります。また、高齢者や腎機能が悪い方が使うと高マグネシウム血症を引き起こすことがあります。

      • 古くて新しい薬、ポリエチレングリコール
      • 最近は下剤の新薬が相次いで投入されていますが、この中で昔から海外では広く使われていたのがポリエチレングリコール製剤です。この薬は酸化マグネシウムと同様、腸管の中に水を引き込む薬ですが、電解質バランスに与える影響が少なく、小児から高齢者、腎不全の人などにも安全に使用できるのが特徴です。ただし、新薬のためか現状ではやや高価なのが玉にきずです。

      • 新規作用の薬たち
      • 便秘の薬は長期間にわたって新たな薬が出てこなかった分野でしたが、ここ数年で新たにいくつもの新薬が登場しています。小腸や大腸の細胞に働きかけて水分を分泌させる薬や胆汁酸という腸の動きを良くする消化液の吸収を低下させる薬などいずれもこれまでなかった作用の薬です。どの薬も比較的安全性が高く、効果も十分ですがいずれも新薬のため、やや高価です。

      • がん性疼痛の人のための便秘薬
      • 新しい下剤の中で少し特殊な位置づけなのがスインプロイクという便秘薬です。がんによる痛みに苦しむ方の中にはモルヒネやオキシコドンなどの麻薬を使っている方がいます。麻薬は痛み止めとしては非常に有効なのですが、消化管のぜん動を低下させる作用があるため、麻薬を服用されている方の多くが便秘を訴えます。この薬は麻薬の消化管に対する副作用を打ち消す薬で、麻薬を飲んでいる人の便秘には第一の選択になります。逆に麻薬を飲んでいない方は飲んでも意味がありません。

  9. 困ったらまずはご相談を

  10. 便秘の多くは放置してもすぐに問題が起こるものではありませんが、中には早めの治療が必要なものもあります。また、便秘を放置することによって肛門の病気や循環器の病気などが悪化することもありますので困っている場合にはお気軽にご相談ください。

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