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新しい花粉症の治療薬「ゾレア」 花粉症も生物学的製剤の時代?

2019.11.11

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数日前にゾレアという薬の保険適応が拡大されたというニュースが入ってきました。
医療ニュースでもオプジーボやハーボニーなど比べるとあまりニュースになっていないように感じますが医療経済には間違い無く大きな影響を与えると思っています。
ゾレアというのは一般名オマリズマブ アレルギーの原因となるIgEという物質に対する抗体を人工的に作って薬にしたものです。(IgE自体も抗体の一種ではあるのが何ともややこしいところですが…)

  • 生物学的製剤・分子標的薬とは?
  • ある物質に標的を定めてそれをブロックする物質を人工的に作って薬にする手法を分子標的薬(抗体製剤、生物学的製剤などともいいます)といって、最近の薬剤開発では良く使われる手法です。
    最近ノーベル賞で話題となったオプジーボや、副作用(間質性肺炎)で一時期ニュースとなったイレッサなど、良い意味でも悪い意味でもニュースになる事が多いです。副作用は比較的少ないものの、特殊な副作用があったり、効果のある人が限られていたりするなど扱いの難しい部分もありますが、確かに治療効果は高く、近年では様々な病気に使用されています。(ただし、価格も非常に高い傾向にあります)
    我々も潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患や大腸癌などに(これらとは別の薬ですが)分子標的薬を使用したりしておりますし、アレルギー疾患に対しても、気管支喘息などに対して使われていました。ただ、いずれもかなり高価な薬剤ですので命に関わる重症な病気に対して使う、というイメージのある薬ではありました。
    この中で特定の物質をブロックする抗体を人工的に合成して作成した薬を生物学的製剤(抗体製剤)といいます。

  • ゾレアとは?

  • アレルギー反応はIgEという物質が肥満細胞という細胞に結合してヒスタミンという物質を放出することによって起こってきます。
    従来の抗ヒスタミン薬が、IgEが肥満細胞に働きかけてヒスタミンという物質を出した後に、そのヒスタミンが結合する受容体に作用するのに対して、ゾレアはそもそもIgEを肥満細胞に結合できなくしてしまいます。従来の薬より根元に近いところで作用することでより高い効果を発揮することができます。
    ちなみに上に載っている写真のように注射薬です。

  • 花粉症にゾレア
  • ところが、今回(2019年10月31日)厚労省はゾレアに季節性アレルギー性鼻炎(要は花粉症ですね)の適応を追加することを発表しました。同様なアレルギー疾患である気管支喘息には以前より使用されており、当然アレルギー性鼻炎にも効くとは以前より予想されており、また実際に効果があるという治療データ自体は国内外より発表されていました。ただ、花粉症というのはかなり母数の多い疾患で、通常生命にかかわることはありません。(重度のアレルギーがあって喘息などを併発している人もいますが、そういう人は既に治療の適応となっています)。
    また、現状でもかなり多くの治療の選択肢が出ている花粉症に分子標的薬を使用することには賛否両論があった様です。
    ゾレアは分子標的薬ですので薬価は当然かなり高価で、保険医療ではありますが患者さんの負担も3割負担で27,347円とそれなりのものとなります。(実際の医療費は、血液検査なども必要となりますのでもう少しかかります。また、血液中のIgEの量などにより投与量が変わります)とは言え元の薬価は1ヶ月9万1,156円ですので6万くらいの額が保険で使われていくことになります。
    1ヶ月3万円程度というのはわれわれには中々出せない額ではありますが、それぐらいなら気にならないという人もいそうな気がします。(1年に2か月なら年に6万円になります)この春、ゾレアを花粉症に使うというのは重い花粉症を抱える人たちの間では「流行って」くるかもしれません。また、ドーピングの問題などで従来ステロイドなどを使用することのできなかったスポーツ選手などにとっても福音になるでしょう。
    ただ、あまりにも流行してしまうようであれば医療財政を圧迫してこないか心配にはなってきますね。現状でも保険適応には「従来の治療法ではコントロール困難」な花粉症という但し書きがついてはいますが、適応を絞って使わないと医療費が大幅に増大する原因になってしまう可能性があるので医師の側でも十分な注意が必要だと考えています。

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